キスラー・ヴィンヤーズ(Kistler Vineyards)

ブルゴーニュを超えたカリフォルニアの至宝!

 

カリフォルニアでも最高のシャルドネ、ピノ・ノアールの生産者であるキスラーはパーカーを始めとする様々なメディアで取り上げられ、絶賛され、ブルゴーニュを超えていると絶賛されています。実際、日本にもキスラーのファンが大勢おり、何とかそのワインを確保しようとしています。ここではパーカーや神の雫などに登場したキスラーの項目を紹します。

管理人もキスラーの大ファンで、最初にキスラーのシャルドネを飲んだ時「これ、普通のシャルドネと違う!」と感動したことをよく覚えています。それ以来、カリフォルニアの特定銘柄で、一番多く飲んだのはキスラーに間違いありませんが、期待を裏切られたことはただの一度もありません。白ワインの最高峰と言われるモンラッシェだと最低でも200-300ドルしますが、その数分の1の値段で下手なモンラッシェを遙かに超える美味しさを発揮するのですから、たまりませんね。

 

ロバート・パーカー著「世界の極上ワイン」より
究極の舌を持つテイスター、ワインの世界を変えた男、 帝王ロバート・パーカー自身の厳しい眼で選ばれた9カ国156のワイナリーを詳述しています。それはまさにパーカー自身の過去30年にわたるワイン評論の集大成と呼べるもので、ここまで冷静かつ詳しく調べ上げていることに感嘆させられます。

スティーブ・キスラーとその家族は、1978年にマヤカマス・マウンテンズでこの小さなワイナリーを創業した。最初のヴィンテージである1979年は、シャルドネが計3,500ケースであった。1992年にはロシアン・リヴァーに最新式のワイナリーを建築した。現在の平均的な生産量は約2万ケースであり、1万5,000ケースがシャルドネで5,000ケースがピノ・ノワールである。

当初からキスラー・ヴィンヤーズは、ふたりの重要人物によって運営されてきた。所有者兼ワインメーカーであるスティーブ・キスラーと彼の助手であるマーク・ビクスラーである。キスラーはスタンフォード大学で学士号を取得し、その後カリフォルニア大学デイヴィス校とフレズノ州立大学で学び、キスラー・ヴィンヤーズを創設する前にリッジでアシスタント・ワインメーカーとして2年間働いた。マーク・ビクスラーはマサチューセッッ工科大学で学位を取得し、その後カリフォルニア大学バークリー校で学び、フレズノ州立大学で化学の教授となり、その後フェッツァー・ヴィンヤーズに2 年間勤めた。

キスラー・ヴィンヤーズは、カリフォルニア・ワインの品質の頂点にある。特に、こつこつと努力を重ね―その地位を獲得したという事実は、称賛に値する。

スティーブとマークによって生み出される並外れた作品とその品質ゆえに、私はキスラーを訪問する度に、つぎつぎと賞賛の言葉をしたためたくなる.壊れたレコードのように同じことばかり書いているが、このワイナリーは、並外れたワインを生み出している。誰もがキスラーのすばらしいシャルドネを知っているが、私は、彼らのピノ・ノワールが最終的にはさらに歴史的なものとなるだろうと確信している。

すべてが新樽100%で熟成されており、小規模のロット (200〜500ケース)でつくられており、清澄も濾過もせずに瓶詰めされている。キスラー・ヴィンヤーズは、ワインが可能な限り表現豊かなものになるように、できる限り二酸化硫黄(SO2) のレベルを最小展に保とうとしている。ピノ・ノワールは、ブラインドテイステイングにおいて最上のブルゴーニュの赤に、余裕で引けをとらない。


広々としているが、質素で機能的なキスラーのワイナリー

スティーブ・キスラーとマーク・ビクスラーは、最上の品質のシャルドネとピノ・ノワールをつくる秘訣は忍耐だと思っている。年によっては風味が早く出てくるし、年によってほ、非常に遅い。シャルドネは、信じられないほどの液化したミネラルと偉大な構造、そして類ない純粋さがあるため、難なくブルゴーニュのグラン・クリュの白ワインとして通る。同時にこうしたワインは、それぞれの畑の場所を反映している。すぺてのワインは、完全でゆっくりとしたマロラクティック発酵を経ており.その後澱引きをしてから沈殿タンクに移されて、瀕過せずに瓶詰めされる。何ひとつ急いで行なわれることはない。

過去10年にわたって、私はシャルドネの熟成能力を評価してきた。3〜5年で頂点に到達してから、下降し始めるまでに8〜9年は持ちこたえる。多くのブルゴーニュの白ワインの標準から見れば、長くはないが、カリフォルニアのシャルドネとしては極めて長命である。ワインは、いっそう長く持ちこたえるようになるだろうが、長命さは、存続する能力だけでなく、向上する能力も指標とするべきだろう。

その他キスラーを取り上げているメディア

ロバート・パーカー著 「厳正評価 世界のワイン」より
「私が驚嘆し、また愉快に思ったことは、最も優れたブルゴーニュの白ワイン生産者の一入であるコシュ・デュリが、カリフォルニアのシャルドネを”熱愛している”ことである。そこで彼に、最近飲んだワインを挙げてくれと頼むと、即座に答えてくれた。その答えとは、キスラー、マーカッシン、ニュートン・アンフィルタードであり、理由は、「非常に、非常に熟していて、しかも、しっかりした構造を持っている。喜びをもたらすワインだ」からだという。」

 

葉山考太郎 著「辛口/軽口 ワイン辞典」より
キスラー・ヴィンヤード
世界最高の白を産するカリフォルニアのワイナリー。ネットリとしてスケールの大きなブルゴーニュ風の辛口の白。白い花、ナッツ、蜂蜜に樽の香りが混ざり、フランス人もビックリ。ボストンでサービスしていたサンテミリオン出身のフランス人老ソムリエが、「残念だが最高のモンラシェもキスラーにはかなわないかも」と言ったのを思い出す。


神の雫(モーニング連載中)

第7の使徒捜しにナパに出かけた遠峰が、ナパバレーの道中で助手のローランを相手にこのキュヴェ・キャスリーンは自分も大好きなワインのひとつだ」と語ります。

ローラン 「キスラーが葡萄畑を持っているあたりね!あのワイン大好き!!」
遠峰 「そうだね。キスラーは非常に高い評価を受けている。中でも特に「キュヴェ・キャスリーン」は私も好きなワインのひとつだ」